ピロリ菌の検査方法は?胃カメラあり・なしの違いや検査の流れを解説

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ピロリ菌の検査方法は?胃カメラ...

「ピロリ菌の検査を受けたいけれど、どのような方法があるの?」「胃カメラを受けないと調べられない?」と疑問に思っていませんか。ピロリ菌の検査には、胃カメラで採取した組織などを調べる方法のほか、吐いた息や血液、便などを使って調べる方法があります。

検査方法によって、調べ方や特徴、適したタイミングが異なります。また、初めて感染の有無を調べるときと、除菌治療が成功したかを判定するときでは、選ばれる検査が異なることもあるため、それぞれの違いを知っておくことが大切です。

この記事では、ピロリ菌の検査方法を胃カメラを使う方法・使わない方法に分けて紹介し、検査から除菌判定までの流れ、検査時の注意点、保険適用、受診先までを解説します。ピロリ菌の検査を検討している方は、参考にしてください。

ピロリ菌の検査方法は胃カメラの有無で分かれる

ピロリ菌は胃の粘膜に感染し、慢性胃炎や胃・十二指腸潰瘍などと関係する細菌です。感染しているかを調べる方法は、大きく「胃カメラを使う検査」と「胃カメラを使わない検査」に分けられます。胃カメラを使う検査では、胃粘膜の状態を直接観察しながら、生検で採取した組織や胃廃液などを使ってピロリ菌を調べます。一方、胃カメラを使わない方法では、呼気、血液や尿、便を用いて感染の有無を調べます。

分類

主な検査方法

使用するもの

結果までの目安

除菌後の判定

胃カメラを使う検査

迅速ウレアーゼ試験

胃粘膜組織

短時間

用いない

鏡検法

胃粘膜組織

数日

状況により

培養法

胃粘膜組織

数日~1週間程度

主に感受性確認

核酸増幅法

胃内視鏡廃液など

数日

状況により

胃カメラを使わない

検査

尿素呼気試験

呼気

短時間

用いられる

抗体検査

血液・尿

数日

適さない

便中抗原検査

便

数日

用いられる

※結果までの期間は検査キットや医療機関によって異なります。どの検査も100%正確というわけではなく、調べる対象や薬の影響の受け方が異なるため、目的に応じて使い分けます。なお、「胃カメラなしで検査できるか」と「保険診療でどの検査を受けられるか」は別の話なので、分けて考える必要があります。

胃カメラを使うピロリ菌の検査方法

胃カメラを使う検査では、胃の粘膜を直接観察すると同時に、採取した組織や胃廃液を用いてピロリ菌の感染を調べます。胃炎や潰瘍、萎縮などの所見を確認しながら診断を進められる点が特徴です。生検組織を使う方法と胃廃液を使う方法があり、検出の仕組みも異なります。

迅速ウレアーゼ試験

迅速ウレアーゼ試験は、胃カメラで採取した胃粘膜の組織を使い、ピロリ菌が持つ「ウレアーゼ」という酵素の働きを利用して感染の有無を調べる方法です。組織を専用の試薬に入れ、尿素が分解されることで起こるpHの変化を色の変化として判定します。比較的短時間で結果を得やすく、除菌前の感染診断に用いられます。ただし、採取した場所に菌が少ない場合などには、感染していても陰性になることがあります。検査結果は、内視鏡所見やほかの検査結果も踏まえて判断します。

鏡検法

鏡検法は、胃カメラで採取した胃粘膜の組織を染色し、顕微鏡でピロリ菌を探す方法です。菌そのものを確認できるだけでなく、同じ組織から胃炎や萎縮など、胃粘膜の変化も評価できます。ピロリ菌は胃の中に均一に存在しているとは限らないため、採取した場所に菌が少ないと見つけにくい場合があります。そのため、必要に応じて複数箇所から組織を採取したり、特殊な染色や免疫染色を追加したりして、感染の有無を慎重に判断します。

培養法

培養法は、胃カメラで採取した胃粘膜の組織からピロリ菌を培養し、菌が発育するかどうかで感染を調べる方法です。実際の菌を増やして確認するため、ピロリ菌そのものを検出できる検査の一つです。結果が出るまでに数日かかることがありますが、培養した菌を使って抗菌薬への感受性を調べられる点が特徴です。除菌治療がうまくいかなかった場合などに、どの抗菌薬が効きにくい可能性があるかを検討する際の参考になります。

核酸増幅法

核酸増幅法は、胃カメラ検査時に得られる胃内視鏡廃液などを用いて、ピロリ菌の遺伝子を調べる方法です。胃廃液を用いることで、生検した部位だけでなく、胃粘膜全体の感染状態を評価しやすい点が特徴です。現在は、ピロリ菌の遺伝子とあわせて、クラリスロマイシンへの低感受性に関連する遺伝子変異を調べられる検査も保険収載されています。感染の有無だけでなく、除菌治療で使う抗菌薬を検討する際の情報を得られる場合があります。

胃カメラを使わないピロリ菌の検査方法

胃カメラを使わずに調べる方法には、呼気を使う尿素呼気試験、血液や尿を使う抗体測定、便を使う便中抗原測定があります。内視鏡検査を伴わずに感染状態を調べられる一方、検出する対象や適した使い方はそれぞれ異なります。どの検査が適しているかは、検査の目的や過去の除菌歴などを踏まえて判断します。

尿素呼気試験

尿素呼気試験は、検査薬を服用する前後の呼気を採取し、ピロリ菌のウレアーゼ活性を利用して感染の有無を調べる方法です。検査薬に含まれる尿素がピロリ菌によって分解されると、呼気中に特定の二酸化炭素が増える仕組みを利用しています。生検を必要とせず、胃全体の感染状態を反映しやすく、精度が高い点が特徴で、除菌前の感染診断にも治療後の判定にも広く使われます。検査精度を保つためには服用中の薬や検査時期への注意が必要なため、具体的な準備については医療機関の指示に従いましょう。

抗体測定

抗体測定は、主に血液を用いてピロリ菌に対する抗体を調べる方法で、尿を用いる検査もあります。感染すると体内で抗体が作られるため、その反応を利用して感染歴を調べます。ただし、抗体はピロリ菌がいなくなったあともしばらく残ることがあります。そのため、抗体が陽性でも現在も感染しているとは限らず、除菌後の判定には適していません。過去の感染や除菌後の状態が反映される場合もあるため、結果だけで除菌治療の必要性を決めず、ほかの検査や胃の状態も踏まえて判断します。

便中抗原測定

便中抗原測定は、便の中に含まれるピロリ菌由来の抗原を検出する方法です。胃カメラや採血を必要とせず、便を採取して調べられる点が特徴です。現在の感染状態を調べる目的で利用できるほか、除菌治療後の判定にも用いられます。検査キットには種類があり、使用している薬などによって検査結果への影響が異なる場合があります。検体の採取方法や提出方法を含め、医療機関からの案内に沿って受けることが大切です。

ピロリ菌検査から除菌判定までの流れ

ピロリ菌が疑われた場合は、まず感染の有無を調べ、陽性であれば胃の状態や保険診療の条件などを踏まえて除菌治療へ進みます。薬を飲み終えただけでは除菌できたかどうかは分からないため、治療後の判定まで受けることが大切です。感染診断、除菌治療、除菌判定では、それぞれ目的が異なります。

除菌前の感染診断

最初に、現在ピロリ菌に感染しているかを調べます。選ばれる検査は、胃カメラを同時に行うか、過去に除菌歴があるか、服用中の薬があるかなどによって異なります。なお、最初の感染診断に限り、2つの検査を組み合わせて確認できる場合があります。検査によっては、菌の分布や服用している薬の影響で、感染していても陰性になることがあり、内視鏡所見と検査結果が一致しない場合などには、別の検査を追加して判断することもあります。1つの結果だけで自己判断せず、検査歴や胃の状態を含めて医師と確認しましょう。

陽性の場合の除菌治療

ピロリ菌への感染が確認され、除菌治療の対象となる場合は、胃酸の分泌を抑える薬と2種類の抗菌薬を組み合わせて治療します。国内の保険診療では、一般的に3種類の薬を7日間服用する方法が用いられています。決められた回数と期間を守って服用することが大切です。軽い軟便などの場合は自己判断で薬を減らしたり中止したりせず、気になる症状があれば処方した医療機関へ相談しましょう。一方、発熱や腹痛を伴う激しい下痢、血便、じんま疹や発疹などが現れた場合は、服用を中止して速やかに医師へ連絡してください。

除菌後の判定検査

除菌薬を飲み終えたあとには、ピロリ菌がいなくなったかを検査で判定します。症状が良くなっていても除菌に成功したとは限らないため、治療後の検査まで受けることが大切です。除菌判定には、尿素呼気試験や便中抗原測定などが用いられます。一方、迅速ウレアーゼ試験は除菌判定には推奨されていません。最初の感染診断と治療後では適した検査が異なるため、医師の指示に沿って判定検査を受けましょう。

ピロリ菌検査を受ける際の注意点

ピロリ菌の検査は、服用中の薬や検査を受ける時期によって結果に影響が出ることがあります。また、胃カメラや尿素呼気試験などでは食事に関する準備も必要です。正確な判定につなげるため、薬の使用状況や検査前の指示を事前に確認しておきましょう。

服用中の薬による検査への影響

胃酸を抑える薬や抗菌薬は、検査法によって結果に影響することがあります。特に尿素呼気試験と迅速ウレアーゼ試験は影響を受けやすく、検査前に一定期間の休薬が必要になります。おおまかな整理は次のとおりです。

検査法

胃酸を抑える薬(PPI・P-CAB)の影響

尿素呼気試験・迅速ウレアーゼ試験

影響を受けやすく、休薬して実施する

鏡検法・培養法・抗体測定・便中抗原測定・核酸増幅法

2024年の取扱いでは、服用中でも実施できる

※保険診療上実施できることと、薬の影響がまったくないことは同じではありません。P-CABの影響は検査法やキットによって異なり、一律には判断できません。また、抗菌薬もピロリ菌を一時的に減らし、結果に影響することがあります。最近ほかの病気で抗菌薬を使った場合も含め、服用中の薬は自己判断で中止せず、検査前に医師へ伝えてください。

検査前の食事・絶食

食事に関する準備は、受ける検査によって異なります。胃カメラでは胃の中を観察しやすくするために事前の絶食が必要となり、尿素呼気試験でも空腹時に検査を行うなど、食事についての指示があります。一方、抗体測定や便中抗原測定では準備方法が異なります。絶食する時間や飲水の可否は、検査方法や実施する時間帯、医療機関の方針によって変わります。「検査だから朝から何も口にしない」と自己判断するのではなく、予約時に食事・飲み物・服薬について確認しておきましょう。

除菌判定までの期間

除菌治療が終わってすぐに検査をすると、菌が残っていても正しく判定できない可能性があります。日本ヘリコバクター学会のガイドラインでは、除菌判定は除菌治療薬の服用終了後、一定期間(おおむね4週間以上)をあけて行うとされています。さらに、尿素呼気試験などでは胃酸を抑える薬や抗菌薬の影響にも注意が必要です。検査時期が早すぎたり、結果に影響する薬を服用していたりすると、正しく判定できない場合があります。除菌薬を飲み終えた日から自己判断で検査日を決めず、医療機関の指示に沿って日程を調整しましょう。

ピロリ菌検査の保険適用と受診先

ピロリ菌の検査は、受ければ必ず健康保険が適用されるわけではありません。対象となる病気や胃カメラの所見など、一定の条件があります。一方、症状がなく感染の有無だけを希望して調べる場合には、自費診療になることもあります。保険診療の条件と受診先を分けて確認していきましょう。

保険診療になる場合

ピロリ菌の検査・除菌治療が保険診療の対象となる病気・状態は、次のように定められています。

  • 胃潰瘍・十二指腸潰瘍

  • 胃MALTリンパ腫

  • 免疫性血小板減少症(旧称:特発性血小板減少性紫斑病)

  • 早期胃がんの内視鏡治療後

  • ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎

特にヘリコバクター・ピロリ感染胃炎で保険診療として除菌治療を行う場合は、内視鏡検査で胃炎と診断され、感染検査で陽性と確認されることなどが条件になります。「胃カメラなしで検査できる方法がある」ことと、「保険診療で胃カメラが不要」ということは同じではない点に注意が必要です。

自費診療になる場合

症状や保険診療の対象となる病気がなく、「ピロリ菌に感染しているか一度調べてみたい」と希望して検査を受ける場合などは、自費診療になることがあります。健康診断や人間ドックの一環として行われる検査も、保険診療とは扱いが異なります。自費診療の検査方法や費用は医療機関によって異なります。また、自費検査で陽性となった場合、その結果だけで直ちに保険診療の除菌治療へ進めるとは限りません。追加の診察や胃カメラなどが必要になることもあるため、その後の流れまで医療機関へ相談すると安心です。

消化器内科・内科

ピロリ菌の検査を希望する場合は、消化器内科が主な相談先です。胃の痛みや胃もたれがある方、胃潰瘍・十二指腸潰瘍の既往がある方、健診でピロリ菌感染を指摘された方などは、これまでの検査結果を持参すると診療が進めやすくなります。受診先を迷う場合は、内科で相談しても構いません。過去にピロリ菌の検査や除菌を受けたことがある場合は、その時期や結果も伝えましょう。検査歴や症状、胃カメラの必要性、保険適用の条件などを踏まえ、自分の状況に合った検査方法を医師と相談して決めていきます。

ピロリ菌の検査に関するよくある質問

胃カメラを受けなくてもピロリ菌の検査はできますか?

尿素呼気試験、抗体測定、便中抗原測定など、胃カメラを使わずに調べる方法はあります。ただし、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎を対象に保険診療で検査・除菌を行う場合は、内視鏡で胃炎の診断を受けることが条件となります。「胃カメラなしで検査できる方法がある」ことと「保険診療で胃カメラが不要」であることは別のため、目的や保険の条件を医療機関に確認しましょう。

除菌がうまくいったかは、いつ検査すればわかりますか?

除菌薬を飲み終えてすぐは正しく判定できないことがあるため、一定期間(おおむね4週間以上)をあけて判定検査を行います。判定には尿素呼気試験や便中抗原測定が用いられます。胃酸を抑える薬などの影響もあるため、検査日は自己判断で決めず、医療機関の指示に沿って調整してください。

検査の前に飲んでいる薬は止めた方がよいですか?

検査法によって影響が異なります。尿素呼気試験や迅速ウレアーゼ試験は胃酸を抑える薬(PPI・P-CAB)の影響を受けやすく、休薬が必要になります。ただし、自己判断で中止すると持病に影響することもあるため、服用中の薬(最近使った抗菌薬を含む)を医師に伝え、指示に従ってください。

除菌に成功すれば、もう胃がんの心配はありませんか?

除菌によって胃がんのリスクは下がるとされていますが、ゼロになるわけではありません。特に胃粘膜の萎縮が進んでいる場合は、除菌後も胃がんが見つかることがあります。除菌後も、必要に応じて定期的な胃カメラでの経過観察を続けることが大切です。

まとめ|ピロリ菌の検査方法は目的に応じて選ばれる

ピロリ菌の検査には、胃カメラを使う迅速ウレアーゼ試験・鏡検法・培養法・核酸増幅法と、胃カメラを使わない尿素呼気試験・抗体測定・便中抗原測定があります。それぞれ仕組みや特徴が異なり、最初の感染診断と除菌後の判定では適した検査も変わります。

また、服用中の薬や最近使用した抗菌薬によって検査結果に影響が出る場合があり、保険診療には一定の条件もあります。検査方法を自己判断で決めるのではなく、これまでの検査歴や服薬状況を伝えたうえで医師と相談することが大切です。当院では、消化器内科でヘリコバクター・ピロリ感染症の診断や除菌治療、除菌前の胃カメラに対応しています。ピロリ菌の検査を受けたい方や、胃カメラが必要か迷っている方は、横浜岡野町クリニックへご相談ください。

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