倦怠感が続く原因は?考えられる病気や受診の目安を解説
「しっかり休んでも体のだるさが取れない」「倦怠感が何日も続いていて、病気ではないか心配」と感じていませんか。倦怠感は、睡眠不足や過労、ストレス、食生活の乱れなど日常生活の影響でも起こりますが、貧血や感染症、甲状腺疾患、糖尿病、睡眠時無呼吸症候群などが関係している場合もあります。長く続くときは、単なる疲れと決めつけないことが大切です。
倦怠感の原因を考える際は、どのくらい続いているか、休養で改善するか、発熱や息切れ、体重減少などほかの症状を伴っていないかが手がかりになります。生活習慣の見直しで改善しない場合は、まず身体の病気が隠れていないかを確認していくことが大切です。
この記事では、倦怠感が続く主な原因や考えられる病気、医療機関を受診する目安、受診先までを解説します。だるさがなかなか抜けず、様子を見てよいのか迷っている方は、参考にしてください。
倦怠感につながる病気以外の主な原因

倦怠感があるからといって、必ずしも病気が原因とは限りません。睡眠や食事、心身の負担、服用している薬など、日常生活のなかに原因が隠れていることもあります。生活の変化と倦怠感が始まった時期を振り返ることも大切です。ただし、生活習慣を整えても改善しない場合は、別の原因も考える必要があります。まずは、病気以外で倦怠感につながる主な要因を見ていきましょう。
睡眠不足・過労・不規則な生活
睡眠時間が足りない状態や十分に休めない日が続くと、疲労が回復しにくくなり、だるさや集中力の低下、日中の眠気につながります。仕事や家事が忙しく、休日も予定が続いている場合は、自分では気づかないうちに疲れが積み重なっていることもあります。また、就寝・起床時刻が日によって大きく変わる生活では、睡眠のリズムが乱れやすくなります。まずは睡眠時間や休養の取り方を振り返り、無理な生活が続いていないか見直してみましょう。十分に休んでも倦怠感が続く場合は、生活習慣だけが原因とは限りません。
栄養不足・食生活の乱れ
食事量が少ない状態や偏った食生活が続くと、体を動かすために必要なエネルギーや栄養素が不足し、疲れやすさやだるさを感じることがあります。忙しさから食事を抜くことが多い、極端な食事制限をしている、同じ食品ばかり食べているといった場合は注意が必要です。食欲が落ちて食事量そのものが減っていると、倦怠感が強く感じられることもあります。ただし、食欲低下が続いている場合は、身体の病気が背景にある可能性も否定できません。「栄養をとれば大丈夫」と決めつけず、体重の変化やほかの不調にも目を向けてください。
ストレス・心身の負担
仕事や人間関係、家庭環境の変化などで強いストレスが続くと、心だけでなく身体にも影響が現れます。倦怠感や眠りにくさ、胃腸の不調などを感じることがあり、忙しい時期ほど自分の疲れに気づきにくい場合もあります。ストレスが関係していると感じたときは、休養を確保し、負担が続いていないか振り返ることが大切です。ただし、倦怠感をすべてストレスのせいにするのは避けましょう。身体の病気でも同じようなだるさが現れることがあるため、長引く場合や症状が強い場合は医療機関への相談を検討してください。
服用中の薬などの影響
一部の薬では、副作用として眠気やだるさなどが現れることがあります。処方薬だけでなく、市販薬やサプリメントを含めて複数のものを使用している場合は、受診時に何を使っているか伝えられるようにしておくとよいでしょう。「薬を飲み始めてから体がだるい気がする」と感じても、自己判断で薬を減らしたり中止したりするのは避けてください。急な中止によって問題が生じる薬もあります。服用後に気になる症状が出た場合は、薬の名前や使用期間を確認したうえで、処方した医師や薬剤師へ相談しましょう。
倦怠感が続くときに考えられる病気
十分に休んでも倦怠感が改善しない場合は、身体やこころの病気が関係していることがあります。倦怠感は多くの病気でみられる症状のため、だるさだけで原因を特定することはできません。発熱、息切れ、むくみ、体重の変化など、ほかの症状やこれまでの経過も重要な手がかりになります。まず、代表的な病気と倦怠感以外にみられやすい症状を整理します。
考えられる病気 | 倦怠感以外に見られやすい症状 |
感染症 | 発熱、咳、のどの痛み、食欲低下 |
貧血 | 息切れ、動悸、めまい、顔色が悪い |
糖尿病 | のどの渇き、尿の回数増加、体重減少 |
甲状腺機能低下症 | 無気力、寒がり、便秘、体重増加 |
心臓・肝臓・腎臓の病気 | 息切れ、むくみ、黄疸、食欲不振 |
睡眠時無呼吸症候群 | 大きないびき、日中の眠気、起床時の頭痛 |
うつ病・適応障害 | 気分の落ち込み、興味の低下、睡眠・食欲の変化 |
感染症・貧血
風邪やインフルエンザなどの感染症では、発熱や咳、のどの痛みとともに倦怠感が現れることがあります。感染症の種類や経過によって症状の現れ方は異なるため、発熱があるかどうかだけで原因を判断することはできません。貧血では、血液が全身へ酸素を運ぶ働きが十分でなくなることで、疲れやすさや息切れ、動悸、めまいなどが現れる場合があります。特に鉄欠乏性貧血では、月経による出血や鉄の摂取不足などが関係することがあります。症状だけでは判断できないため、必要に応じて血液検査で確認します。
糖尿病・甲状腺疾患
糖尿病は自覚症状がないまま進むこともありますが、血糖値が高い状態では、のどの渇き、尿の回数の増加、体重減少、疲れやすさなどが現れることがあります。倦怠感だけで糖尿病と判断することはできないため、血糖値などを確認する必要があります。甲状腺ホルモンが不足する甲状腺機能低下症では、無気力や疲れやすさ、寒がり、便秘、体重増加などがみられることがあります。一方、甲状腺機能が高まる病気では、動悸や発汗、体重減少などを伴う場合があります。どちらも倦怠感の原因となり得るため、症状に応じて甲状腺機能を調べます。
心臓・肝臓・腎臓の病気
心臓、肝臓、腎臓の病気でも倦怠感が現れることがあります。たとえば心不全では、心臓の働きが低下することで疲れやすさや息切れ、むくみなどがみられる場合があります。肝炎などの肝疾患では、倦怠感や食欲不振、吐き気、黄疸などを伴うことがありますが、症状が目立たないケースもあります。腎機能が高度に低下すると、だるさやむくみ、貧血などが現れることもあります。いずれも倦怠感だけで見分けることは難しいため、ほかの症状や経過とあわせて原因を考えることが大切です。
睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が止まったり浅くなったりする状態を繰り返す病気です。睡眠時間を確保していても十分に休めず、日中の眠気や倦怠感、起床時の頭痛、集中力の低下などにつながることがあります。「長く寝ているのに疲れが取れない」「家族から大きないびきや無呼吸を指摘された」といった場合は、睡眠時無呼吸症候群も原因の一つとして考えられます。疑われる場合は、睡眠中の呼吸状態を調べる検査が必要です。肥満がなくても発症することがあるため、体型だけで判断しないようにしましょう。
うつ病・適応障害
うつ病では、気分の落ち込みや興味・関心の低下だけでなく、疲れやすさ、睡眠の変化、食欲の変化など身体面の不調が目立つことがあります。本人は「心の問題」というより、「体が重くて動けない」と感じる場合もあります。適応障害では、仕事や家庭などのストレスとなる出来事をきっかけに、気分の落ち込みや不安などが現れ、日常生活に支障が出ることがあります。倦怠感が続く場合も、身体の病気だけでなく心理的な不調が関係していないかを含めて考えることが大切です。
慢性疲労症候群(ME/CFS)
筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)は、強い疲労や活動量の低下が続き、仕事や学業、日常生活に大きな影響を及ぼす病気です。活動したあとに症状が悪化することや、十分に眠っても回復感が乏しいことなどが特徴として挙げられます。ME/CFSは確定できる検査がなく、貧血や甲状腺の病気、睡眠障害など、似た症状を起こす病気を除外したうえで診断されます。
診断基準はガイドラインによって異なり、CDCが紹介するIOM基準では活動量が大きく低下した状態が6か月を超えて続くことなどが、英国NICEでは必要な症状が3か月続きほかの病気で説明できないことが条件とされます。日本では厚生労働省の診断基準なども用いられます。倦怠感が長引くだけで自己判断せず、まず医療機関で身体の病気がないかを確認することが大切です。
倦怠感が続くときの受診目安

倦怠感は一時的な疲れでも起こるため、何日続けば必ず病院へ行くという一律の基準はありません。期間だけではなく、休養による変化や、ほかの症状、日常生活への影響をあわせて考えることが大切です。次のような状態がある場合は、受診判断の参考にしてください。
睡眠や休日を確保しても倦怠感が取れない、以前より疲れやすくなった
発熱、息切れ、動悸、むくみ、食欲低下、意図しない体重減少などを伴う
仕事や家事に集中できない、朝起きられない、休む日が増えている
複数の症状が重なっている、症状が少しずつ増えている
なお、意識がもうろうとする、突然の強い胸痛や呼吸困難、ろれつが回らない、顔や手足の片側が動かしにくいといった症状を伴う場合は、通常の外来受診より救急対応を優先し、119番通報を含めて速やかに対応してください。
休養しても改善しない倦怠感
仕事や運動のあとに生じる一時的な疲れは、休養によって改善することがあります。一方、睡眠や休日を確保しても倦怠感が取れない、以前より疲れやすくなった、だるさを繰り返すといった場合は受診を考えましょう。倦怠感の強さだけでなく、以前の自分と比べて回復しにくくなっていないかを見ることもポイントです。原因に心当たりがなくても、休養してなお不調が続いているのであれば、自己判断で様子を見続けず内科などへ相談してください。
発熱・息切れ・体重減少などの併発
倦怠感だけでなく、発熱、息切れ、動悸、むくみ、食欲低下、意図しない体重減少など別の症状が続いている場合は、医療機関への相談を検討してください。複数の症状が重なっているときは、倦怠感だけではわからない病気の手がかりになることがあります。症状が少しずつ増えている場合も注意が必要です。受診時には、どの症状が最初に出たのか、同じ時期に始まったのかなどを伝えると診察の参考になります。病名を自分で予測する必要はなく、気になる変化をまとめて伝えることが大切です。
仕事や日常生活への支障
倦怠感によって仕事や家事に集中できない、外出が難しい、朝起きられない、休む日が増えているなど、普段の生活に影響が出ている場合も受診の目安になります。症状のつらさは体温や検査値だけでは測れないため、生活への影響を軽く考えないことが大切です。以前できていたことが難しくなっている、休んでも普段どおりの生活に戻りにくいといった変化にも目を向けましょう。日常生活への支障が続いている場合は我慢せず、医療機関へ相談してください。受診時には、どのような場面で困っているかを具体的に伝えると役立ちます。
意識障害・強い胸痛などの緊急症状
倦怠感に加えて、意識がもうろうとする、突然の強い胸痛や呼吸困難、ろれつが回らない、顔や手足の片側に力が入りにくいといった症状がある場合は、通常の外来受診を待たず救急対応を検討してください。こうした症状は、心臓や脳などの重大な病気でみられることがあります。受診する診療科を自分で探し続けるより、119番通報を含めて速やかに医療へつなげることを優先します。一時的に症状が軽くなった場合でも、自己判断で様子を見続けないようにしましょう。
倦怠感が続くときの受診先
倦怠感は原因が幅広いため、「どの診療科へ行けばよいかわからない」と迷う方も少なくありません。受診前に病名を特定する必要はなく、倦怠感を中心に全身の状態を診てもらえる医療機関から相談する方法があります。受診先に迷うことを理由に診察を先延ばしにする必要はありません。症状が特定の領域にはっきりしている場合は、専門診療科を選ぶこともできます。
内科・総合診療
倦怠感が主な症状で原因を判断できない場合は、まず内科や総合診療を行う医療機関が相談先になります。特定の臓器だけに原因を絞りにくい症状でも、全身の状態を見ながら原因を考え、専門的な診療が必要かどうかを判断してもらえます。「だるいだけで受診してよいのか」とためらう必要はありません。休養しても改善しない、複数の不調がある、健康診断で異常を指摘されているといった場合も相談できます。より専門的な診療が必要と判断された場合は、症状に応じた診療科や医療機関への紹介が検討されます。
症状に応じた専門診療科
倦怠感に加えて特徴的な症状がある場合は、その症状を専門とする診療科が受診先になることもあります。たとえば、強いいびきや睡眠中の無呼吸、日中の眠気が目立つ場合は呼吸器内科や睡眠外来、気分の落ち込みや不安が強い場合は心療内科・精神科などが候補です。動悸や息切れが続く場合は循環器内科、甲状腺の病気が疑われる場合は内分泌内科など、症状や診察結果によって受診先は変わります。自分で判断できない場合は無理に専門科を決めず、まず内科などに相談してください。
医療機関で行う主な診察・検査

医療機関では、倦怠感があるからといって最初からすべての検査を行うわけではありません。症状が始まった時期やほかの不調、既往歴、服薬状況などを確認したうえで、必要な検査を検討します。原因によって検査内容は異なり、年齢やこれまでの病気も判断材料になります。診察で得られた情報をもとに、必要性の高い検査から進めていきます。
問診・身体診察
問診では、倦怠感がいつから続いているか、休むと改善するか、発熱や息切れなどを伴っていないかを確認します。既往歴、体重の変化、睡眠の状態、仕事や生活状況、服用している薬なども原因を考えるうえで大切な情報です。健康診断の結果があれば、あわせて確認することもあります。身体診察では、必要に応じて体温、血圧、脈拍などを測定し、胸やお腹の診察、むくみの有無などを確認します。診察時には症状が軽くなっていることもあるため、受診前の経過を簡単にメモしておくと伝えやすくなります。
血液検査・尿検査
血液検査では、症状や診察所見に応じて、貧血の有無、炎症の程度、血糖、肝臓・腎臓の機能、甲状腺機能などを調べることがあります。倦怠感の原因は幅広いため、必要な検査項目は一人ひとり異なります。尿検査では、尿蛋白や尿糖、潜血などを調べ、腎臓や糖代謝などの異常を考える際の参考にします。検査結果だけで病名が決まるわけではなく、症状や身体所見とあわせて判断します。結果によっては追加検査や専門診療科への紹介が必要になる場合もあります。
心電図・画像検査などの追加検査
動悸や息切れ、胸部の違和感などがある場合は心電図、咳や呼吸器症状があれば胸部レントゲンなど、症状や診察所見に応じて追加検査を検討します。腹部症状などがある場合には、超音波やCTといった画像検査が必要になることもあります。すべての人に画像検査が必要なわけではありません。症状や診察所見に応じて追加検査の必要性を判断し、より専門的な診療が必要な場合は専門医療への紹介を検討します。
倦怠感が続くことに関するよくある質問
倦怠感は何日続いたら受診すべきですか?
「何日以上なら受診」という一律の基準はありません。目安は日数だけでなく、休んでも改善しない、以前より疲れやすくなった、発熱や息切れ・体重減少などを伴う、日常生活に支障が出ているといった変化です。これらがある場合は、原因がわからなくても早めに相談しましょう。
だるいだけで受診してもよいのでしょうか?
問題ありません。倦怠感は多くの病気でみられる症状で、貧血や甲状腺の病気などが背景にあることもあります。「だるいだけ」と我慢せず、休養しても改善しない、繰り返す、生活に支障が出ている場合は、内科や総合診療を行う医療機関へ相談してください。
疲れが取れないのは慢性疲労症候群でしょうか?
慢性疲労症候群(ME/CFS)は、貧血や甲状腺の病気、睡眠障害など、似た症状を起こす病気を除外したうえで診断される病気です。疲労が長引くだけで自己判断はできません。まず内科などで身体の病気がないかを確認し、必要に応じて評価を受けることが大切です。
倦怠感は何科を受診すればよいですか?
原因が絞りにくい場合は、まず内科や総合診療を行う医療機関が相談先になります。強いいびきや日中の眠気なら呼吸器内科・睡眠外来、気分の落ち込みが強ければ心療内科・精神科など、特徴的な症状があればその専門科も候補です。迷う場合は無理に決めず、内科などに相談してください。
まとめ|倦怠感が続くときは無理せず医療機関へ相談
倦怠感は、睡眠不足や過労、栄養不足、ストレスなど日常生活の影響で起こる一方、貧血や糖尿病、甲状腺疾患、心臓・肝臓・腎臓の病気、睡眠時無呼吸症候群などが関係している場合もあります。十分に休んでも改善しない、発熱や息切れ、体重減少などを伴う、日常生活に支障が出ているときは、我慢を続けず医療機関へ相談しましょう。意識障害や突然の強い胸痛、呼吸困難などがある場合は、通常の外来受診より救急対応を優先してください。
当院では、原因を判断しにくい倦怠感についても内科でご相談いただけます。症状やこれまでの経過を確認し、必要に応じて心電図、レントゲン、CT、超音波などの院内検査や、専門医療への紹介を検討します。だるさが続いて受診すべきか迷っている方も、横浜岡野町クリニックへご相談ください。
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